「ボート」というスポーツを皆さんは知ってますか？　欧米ではかなりメジャーなスポーツなんですけど、日本ではちょっとマイナーなので、知らない人がほとんどだと思います。

スポーツとしてのボートは漕艇（Rowing）とも呼びます。皆さんは「ボート」っていうと、公園にある手漕ぎのボートを想像するかもしれませんが、私たちがやっているボートはちょっと違うんです。一番違うところは、シートが動くっていうことです。だから公園のボートとは違って、脚力がとても大事なんです。人間は腕の力より脚の力のほうがずっと強いですから、脚を使った方が速く進めますよね。

ボートは速さを競うスポーツです。８人漕ぎのエイトなら、2000mの距離をだいたい6分くらいのペースで漕ぎます。ルールはすごく単純ですが、実際にやるとこれが結構難しいんです。まず自分の力をうまく加速力に変えるのが難しい。ボートでは、オールを水の中に入れて、水に力を与えて、オールを水から抜き上げるという動作を繰り返します。そのとき、どれだけ長く水に力を与えられるか、オールをどれだけの深さで入れるか、などによってスピードが全然違ってきます。また、基本的にボートは複数の人が一緒に漕ぐスポーツです。みんながバラバラに漕ぐと進まないので、タイミングを合わせて漕がなければいけません。これが本当に難しい。だから、ボートは単純に見えてとても奥が深いスポーツなんです！